コラム

調剤薬局の数はコンビニよりも多い! ニーズ拡大「調剤薬局事務」|日本医療事務協会
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「医薬分業」という言葉をご存じですか?これは、薬の処方を医師が行い、薬の調剤を薬剤師が担当するという、役割分担の仕組みです。
たとえば、複数の医療機関から処方箋を受け取った場合でも、院外の1つの調剤薬局で薬を受け取ることで、薬の飲み合わせや重複を確認してもらえます。その結果、必要最小限の薬で十分な効果が得られ、薬代の節約にもつながります。
こうした「医薬分業」が進んだことで、現在では75%以上の患者様が診察後、院外の調剤薬局で薬を受け取っています。そのため、薬局に持ち込まれる処方箋の数も年々増加。薬剤師が調剤に専念できるよう、受付や会計を担当する事務スタッフのニーズが高まっています。
「調剤薬局事務」の仕事
調剤薬局の顔「受付業務」
処方箋の受付やお薬手帳の預かり、保険証やマイナンバーカードによる資格確認など、調剤薬局ではまず「受付業務」が行われます。現在、調剤薬局の数はコンビニエンスストアよりも多いといわれており、その中から「かかりつけ薬局」として選んでいただくためには、事務スタッフによる親切で丁寧な対応が欠かせません。そのため、患者様さんの気持ちに寄り添い、分かりやすく説明するなどのコミュニケーション能力が重要となります。
正確さだけでなく、スピード感も求められる「会計業務」
処方箋の内容を専用コンピュータに素早く入力し、患者様の医療保険に基づいて費用を迅速に計算し、窓口でスムーズに会計を行う「会計業務」もあります。忙しい窓口でも落ち着いて迅速に対応することが求められます。費用について質問を受けることもあるため、医療保険制度や調剤報酬の基本的な知識を身につけておくと、患者様にわかりやすく説明でき、安心してスピーディーに対応できます。
調剤薬局の経営に大きくかかわる「請求業務」
調剤薬局では、月に一度必ず「調剤報酬明細書(レセプト)」を作成し、審査支払機関に提出する「請求業務」があります。この業務は、薬局が正しく報酬を受け取るための非常に重要な業務です。一つの間違いや記入漏れでも、報酬の減額や返戻の原因となり、薬局経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。そのため、請求業務には正しい知識と確実なスキルが不可欠であり、慎重かつ正確に取り組むことが求められます。
薬剤師が調剤に専念できるよう「薬剤師のサポート」
薬剤師のサポート業務には、薬の在庫管理や発注など、一見事務的に見える業務も含まれます。しかし、これらは単なる事務作業ではなく、患者様に必要な薬が確実に提供されるための重要な役割です。在庫の管理や発注のミスは、薬の欠品や過剰在庫につながり、最終的には患者様の治療に直接影響を与える可能性があります。そのため、正確性と注意力が求められる、とても責任のある業務です。
幅広い内容の「医療事務」・限定された内容の「調剤薬局事務」
「医療事務」と「調剤薬局事務」は、いずれも受付や会計など患者様対応を行う点では共通していますが、勤務する場所や業務の範囲に違いがあります。
「医療事務」は主に病院やクリニックで勤務し、受付・会計・診療報酬明細書(レセプト)の作成などを担当します。一方、「調剤薬局事務」は主に調剤薬局で勤務し、処方箋の受付・会計・調剤報酬明細書(レセプト)の作成・薬の在庫管理や発注などを担当します。
また、どちらも資格がなくてもできる仕事で、資格は必須ではありませんが、学ぶ内容には違いがあります。「医療事務」では、投薬・注射・処置・手術・検査・画像診断・入院など、幅広い診療報酬の知識を学びます。一方で「調剤薬局事務」は、薬に関する内容に特化して学ぶ点が特徴です。そのため、学習範囲が限定されている分、「調剤薬局事務」は、比較的短期間で資格を取得しやすいというメリットがあります。
調剤薬局事務のやりがい・魅力
人とのコミュニケーションが好きな人、正確な事務作業が得意な人、パソコンが得意な人が、調剤薬局事務に向いている人とされています。「調剤薬局事務」は、受付や会計、請求業務に加え、薬剤師のサポートとして薬の在庫管理や発注なども担当します。事務的な業務でありながら正確さが求められる重要な役割であり、責任は大きいものの、その分やりがいも感じられます。業務を通じて自然と薬に関する知識が身につくため、日常生活でも役立てることができます。
また、専門的なスキルが求められますが、一度身につければ、仕事を離れた後でも復職しやすい点も魅力です。調剤薬局は全国各地に多くあるため、家庭の事情で引っ越す場合でも、別の地域で同じ仕事に就き、すぐに力を発揮できます。さらに、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能で、独身の間はフルタイムでしっかり働き、結婚や出産後は勤務時間や日数を調整することもできます。自宅近くの職場を見つけやすく、プライベートと両立しながら働きたい方にもおすすめの仕事です。
「調剤薬局事務」を目指すなら日本医療事務協会
日本医療事務協会の「調剤薬局事務講座」では、
・薬局と薬の基礎知識
・医療保険制度の概要
・保険調剤の実務
・調剤報酬・薬剤料、調剤技術料、薬学管理料
・調剤録の作成
・レセプトの作成
を学習していきます。
初めて学習する方にもやさしい工夫が満載のオリジナルテキストで、「調剤薬局事務」の知識をしっかり学べます。スマホで学べるデジタル版もあり、いつでもどこでも効率的に学習できます。
テキストだけでは理解しにくい項目や「ちょっと難しい」と感じる部分も、「学習コンプリート動画」でしっかりフォロー。専門用語も講師がやさしく解説するので、「わかった」を実感しながら学習できます。学習方法は、通学コース・通信コースのいずれかから選んで受講可能です。
調剤薬局事務は資格がなくても働けますが、資格を持っていると即戦力として評価され、就職活動を有利に進められる場合があります。また、就職活動の有利になるだけでなく、自信にも繋がります。
「調剤薬局事務講座」の教材を使えば、自宅で資格試験の受験も可能です。試験は毎月実施されるため、ご自身のタイミングで挑戦できます。
調剤薬局事務の資格講座なら日本医療事務協会