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2026.04.08医療

令和8年(2026年)度 「診療報酬改定」でどうなる?|日本医療事務協会

2026.04.08医療

医療機関が治療をした際に国から受け取るお金を「診療報酬」と言い、診療報酬は点数で決まっています。診療報酬の点数は、医療技術の進歩や日本の経済状況を考慮して、通常2年ごとに見直されます。この見直しを「診療報酬改定」と呼びます。

令和6年(2024年)度からは、診療報酬改定のデジタル化を進める施策「診療報酬改定DX」の一環として、改定が6月1日に施行されることになりました。令和8年(2026年)度の診療報酬改定についても、同じく6月1日に施行されます。

 

診療報酬改定とは?

診療報酬とは、病院やクリニックで行われる診療行為ごとに定められた点数のことで、点数に応じて医療機関が保険者から受け取る報酬が決まります。

診療報酬改定は、まず年末に政府が翌年度の国の予算を編成する際に、診療報酬全体の「改定率」を決定することから始まります。この改定率は、医療費全体の適正な水準を保つための目安であり、この数値を基に厚生労働大臣は専門的な意見を求めるため、中央社会保険医療協議会(中医協)に諮問します。

中医協は、診療報酬の改定内容を検討する重要な機関で、三つの立場の委員で構成されています。保険者や患者、事業主の代表である支払側委員、医師の代表などの診療側委員、学識経験者などの公益委員です。

中医協では、前回の改定による医療現場の影響や診療実態を検証しながら、改定の内容を慎重に議論します。その結果、厚生労働大臣の諮問に基づき、個々の診療行為に対する点数の見直し案がまとめられます。

こうして決まった診療報酬改定は、患者さまや病院に直接影響します。

例えば、ある診療行為の点数が上がれば、その治療を行う病院の報酬も増えるため、医療機関は最新の治療や設備の導入がしやすくなります。逆に点数が下がれば、医療機関は効率的な診療や費用管理を意識するようになります。患者さまにとっても、保険診療での自己負担額が変わる場合があるため、診療報酬改定は医療の質や医療費に直結する重要な仕組みなのです。

 

基本方針の策定スケジュール

厚生労働省は令和7年8月27日に、社会保障審議会医療保険部会を開催しました。この会議では、令和8年(2026年)度の診療報酬改定に向けた「基本方針」の策定について議論が始まりました。基本方針の策定は、今回を含め医療保険部会と医療部会で合計5回の審議を行う予定であり、こうした議論を通じて診療報酬の改定方針や方向性を慎重に検討していきます。

引用元:厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会(第606回) 議事次第

 

令和8年(2026年)度の診療報酬改定の基本方針の概要

策定された基本方針は、前回の改定(令和6年(2024年)度)と同様に12月上旬に公表されました。

厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会(第635回) 議事次第

 

  1. 物価・賃金の上昇や人手不足等への対応
  2. 2040年頃を見据えた機能分化・連携の推進と地域医療の確保、地域包括ケアシステムの推進
  3. 安心・安全で質の高い医療提供の推進
  4. 効率化・適正化による医療保険制度の安定性・持続可能性の向上

 

年末の予算編成過程で診療報酬本体や薬価などの改定率が決定されます。

厚生労働省 令和8年度診療報酬改定説明資料等について(P3)

厚生労働大臣が中央社会保険医療協議会(中医協)に対して諮問を行い、個別の改定項目について具体的な点数設定や算定要件などが議論されます。その審議結果を踏まえて2月に答申が行われ、最終的に、3月に告示や関連通知が発表されます。薬価の改定は4月、診療報酬の改定は6月に施行されます。

 

令和8年(2026年)度の診療報酬改定の主なポイント

厚生労働省 令和8年度診療報酬改定説明資料等について(P5)

 

  1. 賃上げや物価への対応
  2. 急性期・高度急性期入院医療の見直し
  3. 包括期・慢性期入院医療の見直し
  4. 業務効率化・負担軽減等に向けた取組み
  5. 人口の少ない地域・医師偏在対策
  6. 外来医療の機能分化・強化等
  7. 質の高い在宅医療・訪問看護の推進
  8. 重点的な対応が求められる各分野での対応(救急、小児・周産期、精神医療、DX・オンライン診療など)

 

令和8年度診療報酬改定では、物価高騰や賃上げへの支援がこれまで以上に強化されています。また、「医療DX推進体制整備加算」と「医療情報取得加算」が「電子的診療情報連携体制整備加算」へ再編され、点数も引き上げられたことから、医療DXの推進が一層重視されています。さらに、生活習慣病管理料の要件見直しに加え、「特定機能病院等紹介患者受入加算」の新設「連携強化診療情報提供料」の要件見直しが行われ、外来診療の機能分化を進めるなど、医療提供体制の質と効率の向上が図られています。

 

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この記事の監修者
日本医療事務協会 編集部

日本医療事務協会は1975年の設立以来、医療・介護業界の事務職を育成する専門校として、数多くの受講生を現場へと送り出してきました。
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